小町を指導教員にと考えてこのページを訪れてくれた人、どうもありがとうございます。首都大学東京システムデザイン学部情報通信システムコース(システムデザイン研究科情報通信システム学域)小町研究室は自然言語処理の研究をしています。情報系に限らず、他分野の学科(人文・教育系を含む)出身で自然言語処理分野の基礎・応用の研究をしたい人を広く募集しています。研究の分かる(できる)エンジニアを輩出することを目指しています。本研究室は言語(英語、日本語)に関する知識、プログラミングに関する知識、機械学習に関する知識のいずれかに優れ、最先端の研究を挑戦する開拓精神に溢れた人をお待ちしています。また、人文系出身に限らず、障害のある方、女性、海外出身の方(外国人留学生や海外で学んだ経験のある日本人学生)、社会人経験者(セミリタイヤ後含む)、留年・短期修了(飛び級)など、様々なバックグラウンドのある方を歓迎します。 このページには内部進学生向け、外部受験(一般選抜、留学生特別選抜および研究生)に共通する内容を掲載しています。内部進学生と外部受験生向けの内容は以下に分けました。 研究についてQ: 好きな研究ができますか?A: はい、好きな研究テーマをしてください。新しい研究分野を切り開くような研究テーマにむしろ積極的に挑戦してもらったほうが嬉しいです。 B4で配属された人は、夏休みまでの課題として研究室で用意した複数のテーマ(例えば機械翻訳、対話、言語学習支援、ソーシャルメディア解析など)の中から1つを選択し、大学院生1名をメンターとしてつけ、8月まで取り組み、9月の NLP(自然言語処理)若手の会シンポジウムで発表してもらいます。そのテーマを特別研究まで継続するもよし、10月からは違うテーマにするもよし、自らおもしろいと思う研究に取り組んでください。 2016年度の学部4年生5人中1人が発表しました(別の1人は同じアイデアの研究が AAAI という人工知能のトップカンファレンスで先に発表されてしまったので、arXiv という論文共有サーバにて公開しました)。2015年度の学部4年生4人中1人が査読付き国際会議(トップカンファレンスの学生セッション)で発表しました。2014年度の学部4年生4人中2人が査読付き国際会議(1件はトップカンファレンスのフルペーパー、もう1件はトップカンファレンスの学生セッション)で発表しました。学部生で自然言語処理のトップカンファレンスにフルペーパーで採択されるのは極めて珍しい(小町の知る限り日本人では初めて)ですが、難関国際会議に通すのが珍しくないような研究室にしたいと考えているので、みなさんもどんどんバッターボックスに立ってもらえれば、と思います。 大学院生は、基本的に1つの研究あたり目安として3か月で100本の論文(主にトップカンファレンスで発表された英語論文)をサーベイしてもらいますので、M1のどこかでサーベイの時間を取り、研究テーマについて考えてください。修士で入る前にやりたかったテーマを修士論文にする人はだいたい1/3程度です。おもしろそうな研究テーマはたくさんあります。しかし、短い修士の期間では、そのうち1つか2つくらいしかできません。大学院では「何をするか」より「何をしない(諦める)か」の方が重要になってきます。先輩の話を聞いたりサーベイをしたりすると、自分が少なくない時間をかけて取り組みたいと研究テーマが見えてくるので、ぜひ挑戦してもらいたいと思っています。(他大学の学生で、大学院で本研究室への進学を希望する人は、卒論・卒研のために論文を100本サーベイする、というのを意識してもらえたらと考えています) B4で配属されてそのまま大学院に進学して修士で卒業する場合、大学院から首都大に来て修士で就職する場合、博士後期課程にも進学した場合、という3つのケースの典型的な研究サイクルについて書いてみました。また、同じような規模・体制のお茶の水大伊藤研究室の場合や明治大学中村研究室の場合も参考になります。 研究テーマに関する問い合わせが多いので、問い合わせの多いテーマについて、見学(検討)すべき他大学についてまとめます。研究テーマに特にこだわりはないが、自分で自由に決めたい、という人は、NAIST 松本研をお勧めします。(ただし、松本先生はあと2年で定年なので、博士後期課程に進学する可能性のある人はご注意ください)
Q: 研究室見学はできますか?A: はい、B4の研究室配属・大学院の受験生ともに、研究室見学をすることを強くお勧めします。特に、研究室に来てからは教員と過ごす時間は全体の1割程度で、9割は研究室で先輩・同期・後輩と一緒に研究をするので、学生室の雰囲気がどうであるか、ということをちゃんと見てほしいと思っています。 B4 の研究室配属の前は B3 後期に合計3回公式な研究室見学があります。大学院受験生に関しては4-5月にオープンキャンパス+公式な研究室見学があります。うちの研究室以外の他の研究室も検討している、という場合はこれらの公式な研究室見学を利用するとよいです。 また、うちの研究室の研究内容に興味がある、という学生は、いつでも見学を歓迎しています。基本的にはお昼のランチを小町と一緒に食べ、午後の勉強会(13〜16時)に参加してもらう、という流れです。勉強会は原則的に授業期間中しか開催されていないので、可能であれば長期休暇中に見学することをお勧めします。(ただ、帰省のついでやインターンのついでなど、長期休暇中でないと来られない事情もあるでしょうし、柔軟に対処したいと思います) Q: 他の研究室と研究テーマはどう違うのですか?A: 情報通信システムコースでもっとも研究テーマが近いのは石川研と高間研です(大学院入試で複数の研究室に興味がある人は、これらの研究室と迷うようです)。ソーシャルビッグデータ研究センターで 共同研究をしています。次に似ているのが山口研そして貴家研です。情報通信コースの学生で、研究室配属をどこにするか悩む人は、石川研・高間研に加えて貴家研・山口研と迷うようです。首都大以外から大学院の受験を希望する人は、研究テーマを割と絞り込んでいるので、貴家研とは迷わないようです。 貴家研・石川研と迷う人は、それぞれの研究室に進学した方がいいと思います(助教の先生方がいらっしゃるのは大きく違います。ただし、貴家先生・石川先生とも、あと数年で定年です。)。高間研と迷う人は個別に相談に乗ります。また、それぞれ研究室の学生から話を聞いたほうがいいと思います。石川研、高間研とうちの研究室は、ウェブ系の開発をしたい人が多いので、自由な雰囲気です。例えば卒論(修論)発表会に私服で来るのはこれらの3研究室の学生です(学会も、スーツで行くと浮きます)。 それぞれ共通点と相違点を挙げます。石川研
高間研
山口研
貴家研
2015年度以降は山口研・石川研とそれぞれ共同研究をしています。2014年度は石川研・高間研と合同でウェブマイニングに関する基礎勉強会を開催しました。また、大学院の期末評価は石川研、山口研・高間研とそれぞれ共同で研究しており、博士後期課程の学生の副査は山口先生・高間先生にお願いしたりし ています。ソーシャルメディア分析・ウェブ(データ)マイニングに興味のある人は、石川研究室・高間研究室を検討されることをお勧めします。 研究テーマはどれもつながっているので、入力あるいは出力に言語を使いたいか、あるいは応用的な研究がしたいか基礎的な研究がしたいか、といったと ころがポイントです。また、研究テーマに大きなこだわりがないのであれば、研究室のスタイル・ポリシーや雰囲気などで研究室を決めてよいでしょう。 また、情報通信システムコースでは、ほとんどの研究室では学生の研究テーマは研究室のテーマ(先輩がやった研究)の中から選択するスタイルのようです。うちの研究室は学部4年生の最初の半年〜1年だけは研究室のテーマ(正確には研究室の大学院生が考えたテーマで、必ずしも過去にやったことがあるテーマとは限らない)をやってもらいますが、大学院に進学してからは完全に自由に決めてもらっています。自由に研究がしたい人は、うちの研究室が合っていると思います(ただし、適切な研究テーマを自分で選択しなければならない、という意味で、言われたことをやれば卒業できるというわけではなく、むしろ厳しい環境であると言えます)。 2017年度は情報通信コースで最大(学生数25人)の研究室となりました(次に大きい研究室は学生数18人の石川研究室・貴家研究室・高間研究室)。ちょっと
居室は狭く感じるかもしれませんが、和気あいあいと勉強・研究しているので、ぜひ研究室見学に来て在学生と話してみてください(図書館にこもって一人で勉強・研究したいと考えている人には向かない研究室です。狭いスペースでホワイトボードを使いながら自由闊達に議論する雰囲気が好きな人に来てほしいと思っています)。 以下に研究室の関係を学部3年生の研究室見学希望のログから抽出したグラフを示します。詳細はこちらのエントリを参照してください。 進路についてQ: 経済的に不安なのですが、大学院に進学したほうがよいでしょうか?A: はい。学部を卒業したらもうプログラミングなんて見たくもない、あるいはどうしても親に仕送りしなければならない、などの事情がないかぎり、修士(博士前期)課程への進学をお勧めします。エンジニアとしてプロダクト・サービスを作る、あるいはなんらかの形でデータを分析したりする職業に就きたい場合、日本ではほとんど理工系の修士号を取得していることが前提となっています。 在学中は日本学生支援機構から奨学金を借りることができ、大学院で借りる第一種の奨学金(修士は月50,000円または88,000円)であれば在学中の研究業績などにより、受給者のうち3割の人が全額あるいは半額免除になります。アルバイトにせいを出すくらいなら、研究成果を挙げるほうが割がよいかもしれません。うちの研究室では、博士前期課程で第一種奨学金の希望者はほぼ受給できています。 情報通信システム学域だと、筆頭著者としてだいたい論文誌1本あればほぼ免除(全額もしくは半額)、国際会議が1本あれば免除の可能性あり(2本あれば免除の可能性が高いが、1本だと他の業績次第)、といったところです。国内学会・研究会の発表のみではほとんど免除の対象にはなりませんが、本研究室は全ての大学院生に論文誌あるいは国際会議への投稿を義務付けていて(採否は問いません)、そういう意味では全員に免除の可能性がありますので、第一種奨学金を申請することをお勧めしています。(2015年度実績では、研究室で第一種奨学金を受給していた学生4人のうち、2人が免除に推薦、1人が免除補欠に推薦されました。2016年度実績では、同じく受給していた学生5人のうち、1人が免除に推薦、1人が補欠に推薦されました。2017年度実績では、同じく受給していた学生5人のうち、2人が免除に推薦、1人が補欠に推薦されました。) また、経済的に困窮している人に対しては、必要に応じて研究室で研究開発のアルバイトを斡旋しています(時給1,000円程度です)。必ずしも自分の研究テーマに関係していないかもしれませんが、広い意味で自然言語処理に関する実タスクに関わることができるので、開発経験を積むこともできます。基本的にはプログラムを書く、データを作る、サーベイするなどして、ソースコードを納品したり報告書を用意したり論文にまとめて投稿したりする、という内容です。これとは別に、2014年度からは全ての大学院生に RA または TA もお願いしています。RA は月3万円程度、TA は時給1,200円程度(1人あたり2時間 x 8回=2万円程度)です。RA は卒研生の面倒を見る、というお仕事です。
決して多い金額とは言えませんが、支援対象の人数・金額ともに、日本の大学ではこれくらいが限界だと思います(海外と比較してはいけませんが、日本ではかなり出している方だと思っています)。これ以上の経済支援を本学ですることは難しいので、もっと都心で豊富にアルバイトがある東大や東工大(大岡山)に通うか、あるいは NAIST のように生活費の安い大学に通うことをお勧めします。 蛇足ですが、みなさんが働き始めたら年収400万円としても、おおざっぱに年間の労働時間2,000時間で換算すると時給2,000円です。学生のうちに少し自由になるお金があるのは嬉しいことでしょうが、アルバイトで(就職したら自由に消費できない)貴重な自由時間をお金に換えるのは大変もったいないです。大学院でアルバイトをする場合、その経験が自分の将来に役立つかどうか、もう一度考えてみてください。 Q: 卒業後はどのような進路がありますか?A: 情報通信コース全体の傾向から言うと、学部生のうち6〜7割が大学院に進学し、進学者のうち8〜9割が首都大、1〜2割が他大学(主に東大・東工大)に行きます。情報通信コースの中でも情報系の研究室は、そのまま修士まで進学する人がほとんどです。小町研学部1期生の進路は進学2名・就職2名、学部2期生の進路は進学4名・就職0名、学部3期生の進路は進学3名・就職1名、学部4期生の進路は進学5名・就職0名、学部5期生の進路は進学5名・就職0名(予定)です。 修士の学生はほぼ全員が就職します。小町研修士1期生の進路はほぼ全員ウェブ開発企業(起業含む)です。就職先は年によって人気の分野は変わるようですが、ウェブ開発、SIer、メーカーなどさまざまです。小町研修士2期生も進路は半数以上ウェブ開発企業です。ウェブ開発企業は就職活動の時期が早いため、M1の秋〜冬にかけてどこかの企業から内々定をもらった上で、少し気になっている企業も受けてみて、最終的に行くところを決める、というような感じみたいです。 自然言語処理を専攻する研究室の修士の学生は、だいたい Yahoo! や楽天などのウェブ開発企業に就職するか、あるいは NTT データ・IBM・野村総研などのいわゆる SIer として就職するか、あるいは NTT や富士通などの研究所に就職する人が多いようです。就職活動に関しては、ウェブ開発希望だとうちの研究室の学生はほとんど苦労しないようですが、メーカーや SIer 希望の人は本学では推薦されても割と落ちます(例えば、NTT データに首都大から6人推薦したのにウェブテストを通過したのは2人で、最終面接で2人とも落とされたり、ということがあります)ので、修士から大学を変えて、修士号を取得したら就職したい、という人は、大学推薦の数も多く、実際に就職で高く評価されている NAIST をお勧めします。奈良までは行きたくない(行けない)、東京がいい、という人は、東工大(奥村・高村研究室)または総研大(相澤研究室・宮尾研究室)をお薦めします。 過去に研究室で修士号を取得した学生の主な就職先(2名以上)は以下です。
Q: インターンシップに行ってもいいですか?A: はい、ぜひ行ってください。実際にしばらくの間研究・開発体験をするのはその後のキャリアを考えるのに大きく参考になりますので、小町は積極的にお勧めしています(自分自身、NTT研究所、Apple Inc.、Microsoft Research、Yahoo! JAPAN 研究所でインターンしてきました)。研究室にインターンシップの案内もよく届きますので、研究室内SNSに転送・紹介しています。ただし、行くなら最低2週間、できれば4週間以上、理想的には3ヶ月以上のインターンシップに行きましょう。2週間未満のインターンシップは企業見学以上でも以下でもないので、2週間未満のインターンシップに行くくらいなら、大学院で研究したほうがよいと思います。また、手続きを踏めば、大学院生は5日間以上のインターンシップを卒業に必要な単位にすることができます。 また、インターンシップに行くのは研究室2年目に行くことをお勧めしています。1年目は自然言語処理の知識が不足していることが多いため、自然言語処理に関するインターンシップに行っても十分活躍することができないからです。自然言語処理とは関係ない一般的な開発のインターンシップであれば、特に関係ありませんが、自然言語処理の研究開発に関係しないインターンシップに行くことはお勧めしていません。 過去に研究室の紹介で学生が行ったインターンシップ先は以下のようなものがあります(個人で応募して行ったインターンシップおよび研究室の紹介でもアルバイト扱いのものは除いています)。
大学院入試についてQ: 試験はいつありますか?A:
大学院入試は夏季と冬季にあり、それぞれ7月末〜8月頭、1月下旬が試験日(出願はそれぞれ7月および1月。留学生は出願資格審査があるので、それぞれ6月と12月に申請する必要があります)となります。毎年4-5月に大学院入試説明会がありますし、研究室見学はいつでも受け付けています(できれば研究室の勉強会に参加して研究室の雰囲気を体験してほしいので、長期休暇期間よりは授業期間の方をお勧めします)。 博士後期課程は夏季入試および冬季入試のいずれも受験を認めています。ただし、余裕を持って入学後の研究計画を準備したほうがいいので、早めの問い合わせをお勧めします(夏季入試後には研究室の座席が埋まっている可能性があるので、博士後期課程へ入学希望の方は、夏季入試を受けない場合でも、7月末までにお問い合わせください)。 2017年度は研究室の座席が逼迫しているので、夏季入試の合格辞退者がいなければ冬季で受け入れることができません。ご了承ください。 Q: 推薦入試はありますか?
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