2019

このページでは研究生への出願に関する情報をまとめます。

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2018年以降、いわゆる AI ブームで自然言語処理関連の研究室の大学院入試に希望者が殺到しています。うちの研究室を受験して定員に入るのは、研究室を選ばなければ東大・東工大に普通に受かる(希望の研究室に入れるとは限らないが、まず落ちない)レベルの人です。自分の実力では東大・東工大(あるいは京大・阪大)には受かりそうもないので首都大を受けたいが、首都大に来るなら自分の興味あることをやりたい、という感じでうちの研究室を志望するなら、悪いことは言わないので東大・東工大(あるいは京大・阪大)を受けましょう。うちの研究室は、うちの研究室の研究テーマに大変興味がある(論文を読み込んでいて、研究テーマを理解している)か、自然言語処理をどうしてもやりたいが、東大・東工大は厳しいかも(うち以外には例えば NAIST の受験を検討している)、という人が受けてください。

博士前期課程の受験希望者が研究生希望の方の場合、成績証明書と語学のスコアに加え、研究計画書を提出してください。社会人経験のない人については GPA による選抜を行います。外国人留学生の場合、GPA 3.2/4.0 未満の人、JLPT 1級を持っていない人は研究生の出願を認めません。成績および語学のスコアの基準を満たしている人について、研究計画書に基づいて面接(Skype 等)し、研究生として受け入れるかどうかを判断します。研究計画書は、研究生の定員に達するまでは何回でも提出することが可能です。2020年4月からの研究生を希望する場合、すでに JLPT 1級を持っているか、あるいは2019年12月の JLPT の1級試験の結果がウェブで確認して合格であった場合は受け入れます。

よくある質問

Q: 研究生を受け入れていますか?

A: はい、受け入れています。ただし、翌年の4月に博士前期課程に入学希望の10月スタートの研究生を受け入れるのは、基本的に8月の大学院入試を受験して合格した人です(翌年1月の入試ではすでに定員に達しているので、4月には入学できません)。10月からの研究生を希望する場合、入学できるのは最短で2年後の4月です(たとえば2019年10月から研究生で来ても、博士前期課程に入学できるのは2021年4月です)。

10月から研究生になっても特に基礎勉強会を開催しておらず、半年早く研究室に来る意味がほとんどないため、合格した人には入学までの半年間を有意義な他のことに使うことを強くお勧めします(学部時代に自然言語処理の研究をしたことがあったり、すでに研究能力がある人については、10月から来てもらっても構いません)。

4月からの研究生については、博士前期課程への進学希望の人は8月の入試に合格した場合は半年間研究生を延長します。研究生を1年間してから博士前期課程に入学することになります。

また、留学生で文部科学省国費留学生の第一次選考に通った方は研究生としての内諾(許可)を出します。本学が第一希望でなくてもかまいませんが、文部科学省国費留学生の第二次選考に不合格だった場合は、研究生として来日することはできません。文部科学省国費留学生として来日する場合は、4月スタートでも10月スタートでもどちらでも構いませんが、4月スタートで来ることをお勧めします(希望者は半年間東京外国語大学で日本語を学ぶこともできるので、10月に来日したい場合は半年間東京外大で日本語を学び、4月からうちに来るとよいでしょう)。ただし、本学に文部科学省国費留学生として来ることは難しい(国立大学はスムーズに行けるようですが、本学は公立大学です)ようなので、必ず他大学の研究室もしっかり調べて、他大学からも内諾を得てください。本学を希望しても、本学に配置になるのは1/4以下の確率です。

修士号をすでに取得していて、博士後期課程に進学したい場合は、成績や語学スコアによらず研究生としての入学を許可します。

Q: 研究計画書に書く研究テーマは何でもいいですか?

A: いいえ、研究生については(博士前期課程または博士後期課程の受験生の研究計画書と違い)研究室の研究テーマと合致しているかどうかを重視します。この研究テーマで研究するなら、うちの研究室以外ありえない、というような研究テーマの人のみ受け入れます(つまり、うちの研究室に研究生として来たい人の研究計画書は、他大学または他研究室では使えない研究計画書です。)。 そのため、事前に国内の他大学・他研究室でどのような研究をしているのかを十分調べた上で問い合わせてください。研究計画書では、トップカンファレンスで発表されているものを中心に、自然言語処理の論文を読み込んでいるかどうかを見ます(自然言語処理分野の論文を読んだ形跡がない研究計画書をお送りいただいた場合、申請をお断りしています。)。研究計画書は、研究生の定員に達するまで何回でも提出することができます(ただし、コメントをして2回目に送っていただいた研究計画書で、これ以上改善の見込みがないと判断した場合は、その時点で受け入れをお断りします)。

ただし、4月からの研究生の場合、研究に着手するのは大学院入試に合格してからなので、8月以降になります。10月からの研究生の場合、入学後の10月からすぐに研究に取りかかってもらえます(ただし、4月になったら基礎勉強会に参加することになります)。

Q: 日本語力は必要ですか?

A: 博士前期課程への入学希望か博士後期課程への入学希望かで異なります。前者の場合、高い日本語能力が必須です。後者の場合、日本語能力は特に必要ありませんが、高い英語能力が必要です。

語学力として、博士前期課程の受験を希望していて研究生に出願したい場合、原則的に出願までに JLPT N1 に合格し、TOEIC 785点(TOEFL iBT 72点、または CET-6 級)を持っていることを求めます。ただし、これを下回っていても、英語力に関しては、国際会議での発表経験がある、または適切にサーベイできているなど、研究に必要な能力があることが分かる場合や、日本語力に関しては、もともと日本で暮らしていた、あるいは韓国(中国であれば朝鮮族)出身であるなど、日本語能力に問題がないことがメールおよび面接で確認できた場合は出願を認めます。

博士後期課程から入学する人に関しては、日本語のスコアは求めません。英語の能力と研究計画書によって受け入れを決定します。

Q: 受け入れる際、成績を見ますか?

A: はい、大学が GPA を計算している場合は、GPA の分かる成績証明書を提出してください。オープンソースソフトウェア開発等の経験または1年以上の社会人経験がない受験生について、GPA 3.2 未満の方は、博士前期課程受験希望の研究生として受け入れることはありません(授業での開発経験は GitHub 等で開発の履歴が確認できるものでなければ開発経験に含めません。インターンシップあるいはアルバイトは研究開発に関する1年以上のものであれば、社会人経験に含めます)。すでに修士号を持っていて(あるいは、修士号を持っていなくてもソフトウェア開発経験があり)、博士後期課程受験希望で研究生を希望する人は GPA は関係ありません。

Q: 研究生をしていれば、博士後期課程に進学しなくてもいいですか?

A: はい、研究生をしたかどうかに関わらず、博士前期課程の入学者は、博士後期課程に進学する義務はありません。ただし、研究室運営の観点から、原則として研究室に3年間は在籍する人に来てもらいたいと思っているので、博士後期課程に進学希望でない場合は研究生を1年間やっていただくことをお願いしています。例外は、文部科学省国費留学生等の奨学金を取得している人で、奨学生である場合は、特に博士後期課程に進学を希望していなくても博士前期課程の受験を認めています(文部科学省国費留学生の場合は、入学前に1年間研究生をしていただきます)。

Q: 研究生と一般学生との違いはありますか?

A: 研究生も学生ですので、基礎勉強会を含め各種勉強会への参加に関して他の学生(大学院生、学部生)と同じですし、研究室としては区別しませんが、研究生には学生室の固定座席を割り当てることができない場合があります。

また、研究室以外の授業を履修することはできません。そのため、大学院入試(英語や数学)の準備のために入学したいという人はお断りします。

研究を行う場合、研究生の修了時に研究報告書を提出することで、研究修了証明書の認定を行うことができます(提出しない場合は認定されません)。研究の発表や聴講に関する学会参加等に関しては、学部4年生と同様に扱います(研究を学会発表する場合は旅費や参加費はすべて研究室から出します)。1年以上研究生をする場合、原則として言語処理学会年次大会等の学会で発表してもらいますので、研究終了証明書を発行できます。

一点注意しておきたいのは、本研究室では学生が学ぶのは教員とのやりとりからは1割程度で、残りの大部分は研究室の先輩、同期、そして後輩とのディスカッション(雑談含む)からです。研究室に来て研究を行う(これらの話に参加する)かどうかが重要であり、例えば基礎勉強会・進捗報告の日以外は研究室に来ないような人は、研究生・大学院生であっても学ぶ環境を十分に生かすことができません(学位取得に関しては、本人に実力があれば、研究室に来なくても取得できるでしょう)。研究室の他のメンバーと一緒に活動するつもりがない人は、他研究室または他大学に行ってください。

Q: 研究生をすれば、大学院入試に合格しやすくなりますか?

A: いいえ、研究生をすることと合否は全く関係ありません。入試は受験番号によって採点・合否判定されるので、研究生をしていることによる加点も減点もありません。大学院入試の対策等も一切致しません。大学院入試の準備のために研究生になりたいという人はお断りしています。

一方、4月からの研究生に関して、基礎勉強会の課題を他の新入生と同等にこなしている場合は、大学院入試の出願を優先的に認めます。研究生をせずに出願する場合は、その年の定員によっては出願をお断りします。

Q: 研究生をしていても、他大学の大学院を受けていいですか?

A: はい、受けてかまいません。むしろ、他大学の大学院も受けてください。ただし、うちの研究室を受験する場合は、合格したら他大学の大学院の入試あるいは合格はすべて辞退し、うちの研究室に進学することを確約してください。うちの研究室が第一志望でない人は、研究生としてはお断りしています(第一志望でなくても受験を認めることはあるので、第一志望でない人は研究生にはならずに受験してください)。毎年研究生として受け入れることができるのは最大2人ですが、問い合わせは100人近く来ています。とびきり優秀だけど別に自然言語処理以外の研究室でもいい、あるいは他の研究室でもいい、という人より、自然言語処理の研究に必要な基礎知識があり、かつ自然言語処理の研究を卒業後も続けていきたい、という人に来てほしいと思っています。